計算は天然には勝てない……らしい

　今日は仕事納めとともに、会社の忘年会だった。と言っても、職場の仲間だけの、ぶっちゃけた話、社長その他の「お偉いさん」を除いての忘年会だ。
　やっぱり上の人間がいないと、みんな弾けるなぁ。呑めない人間が約2名ほどいたが、それでも食い物より酒がメインでの宴だった。
　呑める人間は、幸いなことに暴れたり、愚痴をこぼしたりはしない酔い方をする。むろん、オレも酒癖はあるものの、気持ちアップ系の酔い方をするのだ。まぁ、女性にとってはこの上ないほど迷惑な酔い方と自覚はしてるけど……。
　そんな酒の席で言われたことで、特に印象に残っている言葉がある。会社のムードメーカーに言われた言葉なのだが、「にのまえは普段まじめだからこそ面白い」のだそうだ。
　なんのことだと思ったら、オレの投球フォームのことらしい。
　ここだけの話、オレはボールがまっすぐ投げられない。ハンドボールやバスケットボールなどの、身体全体を使って投げるような大きな球はちゃんと投げれるのだが、野球のボールのような小さな球が何故かちゃんと投げられない。
　それを知ったムードメーカーが「そういう普通のことで笑いが取れることがうらやましい」と言った。
　いやまぁ……ねぇ、こっちは別に笑いをとろうと思ってるわけじゃないんだし……。
「やっぱ、おまえはそのまんまがいいよ」
　最後にそう言われ、なんとなく複雑な気分になった。そんなに天然ボケをかましてるとは思ってないんだけどねぇ……どうなんだろねぇ。